坪内散歩の説明
第二次大戦末期 イタリアのファシスト、独裁者ムッソリーニは民衆に殺され、ドイツのヒトラーはベルリンの地下壕で自殺。6月の世論調査によれば、アメリカ人は日本の独裁者/天皇の処刑を望んでいた。
7月となり、終戦の要件を列挙するポツダム宣言が示された。宣言は日本の軍国主義的天皇制の解体を求めた。当初日本政府はポツダム宣言を「黙殺」する、とした。8月、広島、長崎への原爆投下。受諾が急がれた。政府はポツダム宣言受諾に際し、唯一「国体の護持」を求めた。
当時の日本人には、「天皇制こそ比類のない世界一美しい国家体制」という思いがあった。しかし、ポツダム宣言が実現したい正義の体制は民主主義であろう。
「天皇は占領軍に従属する」ことで終戦を迎える。日本の支配層は「占領が終われば天皇制は復活」を期し、アメリカも「日本国民の自由な意思で選ぶ体制」以上の強要は意図しなかった。
1945年8月降伏。
占領軍司令官マッカーサーはポツダム宣言にそった国家体制の変更に着手。占領目標の効率的達成のために天皇を使役することを選択。昭和天皇「私はどうなってもいいから、国民を食わせてやってくれ」終戦当時極度の食料不足で日本中が飢餓状態にあった。マッカーサーはアメリカ軍の占領維持経費で物資を供給。8月中旬のアメリカ軍の爆撃目的は日本列島全体の交通網の破壊であったから15日の終戦で交通網は残った。超満員の買い出し列車は大変ではあるが、もし交通網が爆撃で崩壊していれば、慶応大学教授の「一千万人餓死説」が現実となっていたことであろう。
1946年正月 天皇の人間宣言。日本語版は意味不明であるが、R.H.ブライス起草の英語版が名文で海外で好意的に受けとめられた。
1946年2月に新憲法の草案を占領軍の特命チーム、ベアテ・シロタ他のメンバーが作成。現在の象徴天皇制が成文化された。
草案全体がマッカーサーの意向にそったものであるが、彼の思想ではなく、ポツダム宣言の実現をめざしたものである。
占領は長期に及び、占領終了時1951の年のサンフランシスコ講和、同時に締結の日米安保条約締結でアメリカ軍の日本駐留は現在にまで継続。自民党長期政権は対米従属を継続。
2022年の今 現状の天皇制は 若い人から見ると意味不明の体制か?
終戦直後の戦災で荒廃した日本を、天皇が行幸(行く)。民衆が大挙して歓迎。
昭和天皇「アッそう。がんばって・・」民衆 ワ~!
終戦直後の復興 昭和天皇は精神面で貢献があった とすべきであろうか?
アメリカ軍の占領予算/物資:戦争末期 世界のほとんどの地域が戦災で荒廃していた時期にアメリカだけには巨大な生産力。空前の好景気。怖いのは戦争が終わり需要が減ることだけ。占領の軍事予算には戦後恐慌を防ぐ働きもあり、膨大な購買力を持っていた。
戦前から温存された官僚機構がフル稼働。
独裁者といわれたイラクのサダト、リビアのカダフィーは殺されたが、イラクは良くなったのか? リビアは発展したのか?
1945年6月の世論調査でアメリカ人は昭和天皇の処刑を求めている。しかし、耐えがたきを耐えて戦後の復興に努めた昭和天皇、安定した戦後処理をすすめたマッカーサー、仕組みとしての象徴天皇制、イラク、リビアの戦後と比較して、一定の評価をすべきだろう、と坪内散歩は思うのであります。
詩人の三好達治が雑誌「新潮」で 「昭和天皇は退位すべきだ」と明言。戦後しばらくして日本が一定の安定をとりもどした時期のこと。天皇の戦争責任の問題。私も まごころ の示し方として賛成。三好は原稿依頼がなくなり、福井県三国に隠遁。そこで作ったのが 私の城は砂の砦・・・ 国語の教科書で詩は知っていた? 国民詩人としての発言。東京にいられなくなった時期の詩。
憲法の条文
第一章 天皇
第一条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。
第二条 皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。
第三条 天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。
第四条 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。
② 天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。
第五条 皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。この場合には、前条第一項の規定を準用する。
第六条 天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。
② 天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。
第七条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
二 国会を召集すること。
三 衆議院を解散すること。
四 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
五 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
七 栄典を授与すること。
八 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
九 外国の大使及び公使を接受すること。
十 儀式を行ふこと。
第八条 皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会の議決に基かなければならない。